株式会社オルター・トレード・ジャパン(ATJ)社長の山下さん、インドネシアの現地法人PT.Alter Trade Indonesia (ATINA)取締役のハリーさんに、突撃インタビューをしてきたよ!
今回はインタビューの様子をお届けするね。
それでは、ハリーさんにインタビュー!
色々な変化・課題と常に向き合い、挑戦を続けています。
最も大きな課題としては、2000年頃には70~80%だった稚エビの生存率が、現在は15%くらいに下がっています。
気候などさまざまな外部要因がありますが、水質・温度など水の状態が大きく影響していると考えられます。
養殖池は海や川とつながっている汽水域です。
地球温暖化の影響で海面が上昇していて、一昨年末にはかつてないほどの高潮で養殖池や村まで洪水になり、大きな被害が出ました。
そのため、新鮮な水を養殖池に取り込むための河口が砂で覆いつくされて、養殖池の水質維持に苦労しています。
堆積した泥や砂の除去については自治体にも働きかけています。
また、エコシュリンプは粗放養殖のブラックタイガーですが、インドネシアでは大量生産しやすい集約型養殖に適した「バナメイ」という品種が多く養殖されています。
そのため、エコシュリンプの生産者は良質なブラックタイガーの稚エビの確保が難しくなってきており、ATINAでは良質な稚エビの供給にも取り組んでいます。
エコシュリンプの商品のよさや背景(ストーリー)を知って、継続して買っていただくことがエコシュリンプや生産者を守ることにつながります。
民衆交易は、生産者と消費者、どちらもないとできない「互恵」の関係です。
それから、ATINAではサイズ別の仕入れではなく、池で収穫された全サイズをまとめて買い取っています。
だから、たとえば特大サイズが余ってきたとなったら企画で調整していただいてバランスよく消費できるようにします。
そんな時はぜひ購入してくださいね。
インドネシアではエビはどちらかというと高価なもので、家庭で食べるよりは輸出向けの生産が中心です。
家庭で食べる際は、スープに大きなエビを入れるほか、炒める・揚げる食べ方が一般的ですね。
ATJのHPではおすすめレシピも紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
ATINAは設立以来、従業員に対して昼食と夕食を無料で提供しています。
品質の高いエコシュリンプを生産するには労働者の健康が大切という考えからです。
しっかり食べることで、集中力を上げて効率よく加工作業ができます。
また、昼食で外に出たり外部から買ってきたものを持ち込んだりすることで異物混入や汚染につながる懸念があるので、衛生面への配慮も兼ねています。
200名ほどいる工員のリクエストを元に毎週メニューを決めていて、食事制限がある方への対応もできる限り行っています。
インドネシアに数あるエビの加工場でも、無料ランチの取り組みはATINAだけだと思います。
ATINAでは、SDGsの持続可能な生産、環境保護、ジェンダー平等、食の安全など、11の目標を掲げて取り組んでいます。
グリーンコープのカーボンニュートラルの取り組みの一環であるマングローブの植樹にも、エビの生産者と一緒に取り組んでいます。
生産者たちは「エビをしっかり育て続けたい」とよく話しています。
環境の変化など課題はありますが、何より消費者のみなさんが利用してくれることで生活を維持できます。
ATINAでは「ものを通じて情報・背景を届ける」ことを大切にしています。
現地の課題を知り、一緒に取り組んでいただけることがあれば、ぜひ力を貸してください。
それから、どんな方たちが食べてくれているのか生産者も知りたいと思っているので、オンライン学習会なども機会があればぜひ参加してくださいね。